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コレクションガイド

聴くのが楽しみになる音楽コレクションの始め方

思い入れのあるアルバムでも、ガレージセールのCDでも。レコードやCDを集める楽しさと、無理なく聴き始めるための機材選びを紹介します。

窓のそばの木製棚に、レコードとCDが縦に並べられた自宅の音楽コレクション。

要点

  • 音楽コレクションの始め方に正解はなく、次の一枚を手に取りたくなる気持ちを頼りにすれば十分です。
  • 値上がりしなくても、買ってよかった一枚にはなれます。
  • お金を払う前に、正しいディスクが入っているか、ひびや深い傷、反りがないかを確認します。
  • 音楽CDを再生できるDVDプレーヤーも多いので、手元にある機材から始められます。
  • 規定の針圧や適合する交換針がわからない一体型プレーヤーは、見送るほうがいいでしょう。

音楽コレクションの始め方に正解はありません。思い入れのあるアルバムを買う。ガレージセールで、知っている名前が一つ、気になるジャケットがもう一つあったから、CDを箱ごと買う。誰かに古いレコードを譲ってもらう。気づけば、コレクションができています。

まだプレーヤーがなくても、それは後からで大丈夫です。

興味のあるところから始める

物語と一緒にやってくるアルバムがあります。親がよく聴いていた音楽。つらい一年を支えてくれた一枚。ライブの帰りに買ったCD。音楽と同じくらい、その一枚自体が大切なこともあります。ジャケットに手書きされた名前が、手元に置いておく理由になることだってあります。

一方で、勘で買うアルバムもあります。チャリティーショップや中古の箱で見つけ、とりあえず持ち帰って聴いてみる。何枚かはお気に入りになる。ほかの何枚かは、なぜその箱に入っていたのかを教えてくれます。

必聴盤リストも、体裁のいいジャンルの取りそろえも要りません。次の一枚を手に取りたくなる気持ちを頼りにすればいい。趣味です。楽しいなら、それで十分です。

物として持つ楽しさ

自分の棚をあれこれ探す時間も、音楽を聴くことの一部です。あるアルバムを探していたのに、別の一枚が目に入り、気が変わる。手に持ったジャケット。膝の上のアートワーク。クレジットにある、今まで気づかなかった名前。

レコードなら、立ち上がって裏返さなければなりません。面倒だと思う人もいれば、その区切りが好きな人もいます。CDならソファに座ったままでいい。どちらの気分にも、コレクションの中に居場所があります。

機材にも楽しみがあります。ターンテーブルの仕組みを知る。古いコンポをもう一度動かす。なじみの曲を別のスピーカーで聴く。とことん夢中になってもいいし、簡単なシステムを見つけて、そのまま使い続けてもかまいません。

動く単体プレーヤーがあれば、インターネットもアカウントも月額契約もなしに音楽が流れます。盤をかけるだけです。新しい音楽を探したり、外で聴いたりするには、ストリーミングも便利です。棚は、もう一つの選択肢をくれます。

知らなかったことを覚えていく

特にレコードは、ちょっとした冒険の旅になります。最初は一枚かけたいだけ。そのうち、別の盤はなぜラベルが違うのか、中心近くの小さな文字は何なのか、針は交換したほうがいいのか、と気になり始めます。

店で誰かに聞く。失敗する。一人のミュージシャンから別の人を知る。始める前の試験はありません。疑問は途中で出てきます。

値上がりしなくても、買ってよかった一枚にはなれます。得られるのは、聴く時間、発見、持っている喜びです。ただし予算は決めておきましょう。請求書は届くので。

少し歯止めが利かなくなることもあります。一枚買うつもりで出かけ、四枚持って帰る。棚がいっぱいになったら、週末くらい財布を休ませて、すでに持っているものを聴いてみましょう。

置く場所は必要です

持ち物をできるだけ減らしたい人には、なかなか試練のある趣味です。棚が必要になります。重複もあるかもしれません。お気に入りをCDとレコードの両方で持つことも。それぞれ買ったときには、もっともな理由があったはずです。

でも、ミニマルな部屋にコレクションがよく似合うこともあります。いい棚、並んだ背表紙、正面を向けたジャケット。部屋をすっきりさせたまま、音楽に場所をあげることはできます。

以前、家に来た男性が私のレコードコレクションを見て、「レコード店か何かをやっているんですか」と聞いたことがあります。数枚のアルバムから始めた先には、そんな展開もあります。

棚一つで収まる展開もあります。どちらでもいいのです。

お金を払う前に中身を見る

中古CDのケースを開けましょう。正しいディスクが入っていますか。二枚組なら二枚ともありますか。ひび、大きな傷、ブックレットの欠品を確認します。ケースの破損は、ディスクの損傷より対処しやすいものです。

レコードは明るいところで両面を見て、深い傷や反りを確認します。見た目だけで再生音はわかりません。買う前に試聴できないなら、その不確かさを払ってもいい金額に織り込みましょう。

譲ってもらうなら、元の持ち主がどのアルバムを好きだったか聞いてみてください。その会話が、聴き始めるいちばんいいきっかけになるかもしれません。

手元にある機材から始める

動くCD・DVDドライブと音楽CDを再生できるソフトがある古いパソコンなら、ヘッドホンやスピーカーをつなぐだけで始められるかもしれません。

DVDプレーヤーにも音楽CDを再生できる機種が多くあります。機種の説明書を確認してください。すでにテレビにつながっていれば、テレビから音を出せる場合があります。ほかのつなぎ方は、プレーヤーの出力とスピーカーやアンプの入力次第です。

使っていないミニコンポやポータブルプレーヤーがないか、周りに聞いてみましょう。再生と曲の選択を試し、電源アダプターや必要なリモコンが付いているか確かめます。よりよい音を考えるのは、まず音が出るようになってからでも遅くありません。

機材を買う前に確かめる

手頃なターンテーブルで始めるのは十分ありです。借りたものでもかまいません。中古の場合、針の年数や状態がわからなければ点検してもらい、大切な盤をかける前に交換する費用も見込んでおきましょう。

ごく安い値段で全部そろうとうたう、スーツケース型の一体型プレーヤーには慎重に。規定の針圧や適合する交換針がわからなければ、見送るほうがいいでしょう。針圧とは、針が盤にかける圧力のこと。強すぎる針圧や摩耗した針は溝を傷めることがあります。価格だけでは、盤を安全に再生できるか判断できません。

わかりやすい設定手順と、交換できる針を確認しましょう。入門機には、針圧があらかじめ設定された状態で届くものもありますが、いずれにしても説明書で確かめてください。調整式なら、カートリッジメーカーの指定値に従います。音飛びを止めるために、トーンアームへ硬貨を載せてはいけません。針圧が増え、必要以上の針圧は盤と針を傷めるおそれがあります。

買う前に、接続全体を確かめてください。フォノイコライザー内蔵のターンテーブルなら、対応する入力のあるアクティブスピーカーにつなげられます。ほかの構成では、適切なPHONO入力のあるアンプや、別のフォノイコライザーが必要です。パッシブスピーカーにもアンプが要ります。組み合わせがわからなければ、詳しい人に聞きましょう。

予算を超えるなら、待つか借りればいい。盤はきちんと保管しておきます。アルバムと再生システムを、同じ午後に買う必要はありません。

無理のない範囲で続ける

アルバム代だけでなく、機材、ケーブル、収納、送料も予算に入れましょう。動作未確認の中古の掘り出し物は、修理が必要かもしれません。音楽を楽しむお金も残しておきます。

レコードやCDは、スリーブやケースに入れて、倒れないよう支えながら立てて収納します。熱や直射日光は避け、封入物も残しておきましょう。レコードは縁とレーベル部分、CDは縁と中心の穴を持ち、聴き終わったら片づけます。

何を持っているか覚えきれなくなったら、ノート、表計算ソフト、あるいはRecord by Recordを使ってみてください。まずはアーティスト、タイトル、フォーマット。誰からもらった一枚なのかも、書き留めておく価値があります。

そうしたら棚を眺めて、何か選びましょう。そのために持ち帰ったのですから。

よくある質問

針がすり減ったかどうかは、どうすればわかりますか?

針の摩耗は少しずつ進むので、気づきにくいものです。オルトフォンは、表面ノイズやひずみが増える、高音の細かさが失われる、全体にすっきりしない、といった兆候を挙げています。交換までの決まった時間はなく、聴く頻度、盤の状態、盤と針の扱い方によって変わります。針用ブラシを使い、盤をきれいに保ち、正しい針圧で使えば、摩耗を遅らせられます。

レコード棚にはどのくらいの強度が必要ですか?

見た目以上の強度が必要です。米国議会図書館によると、レコードの重さは棚1メートルあたり平均50キロを超え、しかも棚板の中央に集中するため、棚によっては壊れることがあります。10〜15センチごとに動かない仕切りを入れてジャケット全体を支えること、直径の違う盤を一緒にしないことも勧めています。シングルとLPは分けて収納してください。

自宅のコレクションに適した温度と湿度を教えてください。

米国議会図書館は、家庭のコレクションには室温かそれ以下の涼しさと、相対湿度35〜40%ほどのやや乾いた環境を勧めています。数値と同じくらい、安定していることが大切なので、屋根裏や地下室は向きません。棚は暖房器具や通気口、振動源から離してください。寒い部屋から出した盤は、室温になじませてから再生します。

元のスリーブは交換したほうがいいですか?

元のスリーブは残しておけます。米国議会図書館は、可能な場合は内袋を高密度ポリエチレン製に替えており、紙の内袋の中に入れられる帯電防止スリーブもあると紹介しています。CDは通常のジュエルケースで問題ありません。ケースを替えるなら、ディスクを中心で固定するものを選びます。静電気をためやすい収納箱は避けてください。

レコードやCDのほこりはどう落とせばいいですか?

やさしく扱うのが基本です。米国議会図書館は、レコードにもCDにもエアダスターでほこりを吹き飛ばす方法を挙げ、手を洗ってよく乾かし、再生面には触れないよう勧めています。オルトフォンは、再生前のレコードブラシと、針用の乾いたブラシを勧めています。傷やひびが見える盤は針の摩耗を早めるので、かける前によく考えてください。

参考資料

  1. loc.gov/preservation/care/record.html
  2. en.wikipedia.org/wiki/DVD_player
  3. support.microsoft.com/en-us/windows/apps/windowsmediaplayer/file-types-supported-by-windows-media-player
  4. audio-technica.co.jp/document/AT-VMx/en/Content/Cartridge/AT-VMx/using/using-cartridge.html
  5. ortofon.com/pages/wear-and-tear